こんにちは、PCXおじさんです。
「2025年に50cc原付がなくなる」というのをとあるニュースで知り、驚いていろいろ調べたことを記事にまとめました。
今はPCX150に乗っていますが、初めて買ったバイクは50ccのホンダズーマーだけに、50ccがどうにかなってしまうのはとても気になります。
50cc原付では2025年の排ガス規制をクリアできない
そもそも50ccがなくなる(と言われている)最大の理由は、排ガス規制です。
EURO5と呼ばれるヨーロッパの排ガス規制がありますが、2025年に新たな基準に変更される予定になっており、販売されるバイクはこの規制をクリアする必要があります。
そこで問題になるのが50cc。現状のエンジンでは2025年の基準をクリアできません。
新車での販売が自ずと不可能になるため、2025年を境に50ccの原付一種はなくなると言われているのです。
ガラパゴスの50ccにそこまで力を入れられない
じゃあ、まだ2年あるんだから技術開発してクリアすればいいのでは?と思う方もいるかもしれません。
しかしこの排ガス規制は、排気量の小さいバイクほど適合させるのが難しく、ハードルを超えるには大きな開発費がかかります。
費用をペイできるほど50ccがたくさん売れればいいのですが、実は50ccは世界的に見て人気がない排気量で、販売台数の期待ができません。
海外では自動車免許で125ccを運転できる国が多くあり、50ccより大きな125ccが圧倒的にスタンダードです。
昔のスクーターブーム、2st原付7.2馬力の全盛時代ならともかく、今の惨状ではメーカーも力を入れる理由がないのが正直なところではないでしょうか。
開発費をかけるほど販売価格に跳ね返るため、まともに買える値段でなくなってしまう、というのもあります。
35万の50ccスクーターなんて、誰も買わないですよね?
実はこの排ガス規制は、50cc以外の排気量にはすでに始まっています。
先述した技術的な問題により短期間での対応が難しい、という全国オートバイ協同組合連合会(AJ)の働きかけもあり、50ccだけは2025年までという猶予が設けられていました。ただ、この猶予期間を持っても規制クリアは難しいのが現状です。
その他の方法も現実的に不可能
排ガス規制を切り抜ける方法として、電動化があります。
自動車ではテスラや日産のサクラなど、ハイブリッドではない完全な電気自動車がかなり増えてきました。
バイクでも国産ではヤマハのEビーノが販売されており、今後もホンダのEM1e:など、市販モデルの登場が予定されています。
これらのモデルは当然ながらガソリンを一切使わないため、排気ガスはまったく排出しません。
それはいいのですが、やはりいろいろと厳しい面があります。
まずは航続距離。Eビーノはフル充電でたった32kmしか走れません。しかもバッテリーの充電に約3時間もかかります。
これでは用途は本当に限られますよね。下手すると自転車より行動範囲が狭くなるかもしれません。
また、充電インフラの不足も問題です。イオンモールや商業施設ではEVの充電スタンドが置かれてたりしますが、全体的に見ればほとんど普及していません。
将来的には電動化への移行は進みそうですが、2025年までにというのは難しく、現時点での解決策にはなりえません。
とはいえ、50ccを完全に捨てるのは難しい
バイクライフの入口として、日本では50ccは長く存在感を示してきました。
現在でも普通自動車免許に付随しますし、実技試験なしで最も手軽に取れる免許です。
需要が少なくなったとはいえ、たとえば地方の山間地にあるような高校では、通学の足として50cc原付が許可されていたりします。
よく電動アシスト自転車が原付の代わりになると言われたりしますが、やはり動力のあるなしは決定的な差があるでしょう。
そんな50ccが2025年を境になくなってしまったら、困る人もたくさん出てくるのが現実ではないでしょうか。
パワーは50ccなみに落とす
規制をクリアするための解決策として有力視されているのが、125ccを原付一種にしてしまうという案です。
え?原付一種はそもそも排気量50cc以下の制限があるし一体どういうこと?と思う方も多いと思います。
これは、125ccのエンジン出力を下げ、今の50ccと同じくらいにしてしまおう、という考え方です。
とはいえ排気量は125ccのままなので、現在の道路運送車両法では原付一種扱いにはできないため、法律の改正が必要になります。
道路運送車両法では、車両の区分を「排気量と定格出力」によって行われています。
これを改正して「最高出力」による区分にすると、排気量に関係なく最高出力の大小で車両区分がなされます。
つまり「50ccで4.5馬力」と「125ccで4.5馬力」のバイクは、現在では異なる区分になりますが、改正法では同じ区分となります。
4.5馬力(4kW)という数値は、昨年11月に開かれた自民党オートバイ議連の「二輪車車両区分に関する勉強会」で、4Kw(4.5馬力)の案が上がったのを根拠にしています。
この案は実は突飛なものではなく、欧州やアジアでは最高出力による区分けが標準的です。
もし実現すれば、50ccと馬力は同じでもおそらくトルクには差が出るため、より加速のいい扱いやすいバイクが出てきそうです。
ただ、あと2年もないのにスピーディに法律を変えるなんてできるのか?と思ってしまいますね。性能を落とすとはいえ新型エンジンの開発も必要になりますし、いろいろとハードルは厳しいのでは。
この流れが進んで起こり得ること
予定通り2025年に50ccがなくなり、デチューンした125ccが原付一種の代わりになればどんな変化が起きるのか?
以下に3つのことをまとめました。
※あくまで私が勝手に思っていることなので与太話としてご覧ください。
既存125ccモデルの存在感が薄くなる
もし廉価版125ccと通常125ccが共存することで、通常の125ccの存在感は薄くなるのではと思います。
日常の足に使うなら廉価版の125ccで事足りるでしょうし、そうなると通常の125ccはより趣味性の高いユーザー向けになりそうです。
また、廉価版の125ccが人気になれば、プーリーや吸気系、マフラーなど走行性能を上げるカスタムパーツが多く発売され、既存125ccとの性能差は縮まると思われます。
現在でも圧倒的な人気のPCXは引き続き売れそうですが、その他のモデルはよほど強みを持たないと苦しくなるのではないでしょうか。
150ccクラスの存在意義が高まる
私がPCX150に乗ってるからというわけではないですが、150ccモデルの存在感がより高まるのではと考えます。
なぜなら、もし廉価版125ccが原付一種になれば、次のステップアップに同じ排気量のバイクは選ばないのではないでしょうか。
せっかくならひとクラス上の150ccが視野に入ると思いますし、今はPCXやNMAX、トリシティ、ジクサー150など150ccクラスも充実しているので選択肢も豊富です。
この上だと日本なら250ccクラスになり、車体やパワーも段違いに大きくなるのでハードルが上がります。
結果的に、150ccクラスがちょうどいいステップアップの対象として人気が高まりそうな気がします。
50ccモデルのプレミアム化
これは電動化を見越してすでに起き始めているかもしれませんが…
これまで発売されていた50ccモデルがよりプレミアム化するのではと思います。
本当に2025年に新車の50ccが姿を消すなら、当然希少性は高まりますし、のちの本格的な電動化によってエンジンモデルはより価値が上がりそうです。
話は変わりますが、先日初代iPhoneのデッドストックがオークションで600万円で落札されたニュースがありました。
これと似た現象がバイク界隈でも起きるのでは?
スーパーカブやクロスカブ、エイプなど、ただでさえ人気の高いモデルは、状態の良いものを保有していたら将来とんでもない高値になるのではないでしょうか。
おわりに
かつてゼロハンと呼ばれ親しまれた50cc、個人的にはなくなってほしくないですが、時代の流れには逆らえないのは辛いところですね。
今回の記事を作るうえでとても参考になった動画を挙げておきます。
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『原付専門店 げんチャんねる』
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