こんにちは、PCXおじさんです。
バイクのメンテナンスの基本ともいえるのがエンジンオイルの交換。カウルが邪魔して手入れがしにくいスクーターでも、オイル交換は比較的やりやすい作業のひとつかと思います。
今回、自分が乗っているPCX150(KF30)のオイル交換をやりましたので、必要な工具類や手順を記事にまとめました。
もし初めてPCXのオイル交換をする、という方は、ぜひこの記事を見ながら作業をしてもらえれば幸いです!
PCX150のオイル用交換に必要なもの
エンジンオイル
当然ですが古いオイルを抜いて新しいオイルに交換するので、エンジンオイルを用意する必要があります。
PCX150のエンジンオイル適正量は800mLなので、写真のような1リットル入り缶がいいですね。おすすめはホンダのウルトラE1です。
スクーター専用と銘打ったウルトラE1は、オイルの種類的には鉱物油と低いグレードですが、価格が安いのがいいですね。
もちろん化学合成油など高級なオイルは性能も高いですが、安いオイルでも定期的に交換することのほうが大切です。むしろ高いオイルを入れっぱなしにしているよりよほど有益です。
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ドレンワッシャー
エンジンオイルの漏れ出しを防ぐためのドレンワッシャーも、使い捨てなので交換必須です。
ドレンワッシャーは、ドレンボルトとエンジンブロックの間で締め付けられることで潰れて密着し、エンジンオイルの漏れを防ぐ重要な部品です。
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廃油処理箱
古いエンジンオイルを適切に処理するための商品です。
中にポリプロピレン製の吸収剤が入っており、オイルを染み込ませることで燃えるゴミとして出せるようになっています。
エンジンオイルはそのまま捨てられないため、きちんと廃油処理を行う必要があります。
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エンジンオイルの基礎知識
ご自分でオイルを変えている方にとっては「そんなの知ってるよ」的な内容かもしれませんが、一応エンジンオイルの基礎知識としてまとめておきます。
エンジンオイルは、ベースに使われる油によって大きく3種類があります。
3種類のエンジンオイル
鉱物油
鉱物油は、原油を蒸留して精製し不純物を取り除いたエンジンオイルです。
全合成油や部分合成油に比べて、比較的値段が安いメリットがあります。ただし化学合成油に比べて酸化安定度が低く、短期間で劣化する傾向があります。
ですので高回転のハイパフォーマンスエンジンや、長距離を走るなど、エンジン負荷の大きい用途には向かず、使う場合でもこまめなオイル交換は必須です。
ホンダの商品でいえばウルトラE1になります。
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全合成油
全合成油は、蒸留した原油をさらに精製して作られるエンジンオイルです。
半合成油や鉱物油に比べて高い性能を発揮します。高温下でも安定した潤滑性を発揮するため、高回転のスポーツエンジンにも向いています。
加えて酸化安定性が高く劣化する速度が遅いため、長期間使用しても性能が維持されます。性能が優れている分、やはり値段も他の種類のオイルより高めになっています。
ホンダの商品でいえばウルトラG3、ウルトラG4になります。
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部分合成油
部分合成油は、鉱物油と全合成油の強みを組み合わせた、中間的な特徴を持つオイルです。
鉱物油は全合成油に比べて耐熱性が低く、酸化しやすい欠点があります。一方、全合成油は高温下での性能が優れており、酸化に対する耐性も優れています。
部分合成油は、鉱物油の弱点を全合成油が適度に補う形で高性能を発揮します。値段も鉱物油と全合成油の間くらいになります。
ホンダの商品でいえばウルトラG1、ウルトラG2、ウルトラS9です。
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交換するタイミングについて
エンジンオイルは消耗品ですので、定期的な交換が必要になります。
理想は2,000kmごと、長くても3,000km以内には新しいオイルに交換したほうがいいでしょう。
特に、デリバリーなどの街中移動でストップアンドゴーが多いような場合は、オイルが傷みやすいので早めの交換がおすすめです。
エンジンオイルはエンジンが動くことで発生した細かい金属のカスなどが次第に増えていき、2ストエンジンに比べればマシですが、オイルそのものの量も減っていきます。
劣化して少なくなったエンジンオイルのまま走行していると、エンジンのパフォーマンスが落ちるだけでなく、最悪エンジンが焼き付いてお釈迦になります。
こうなると取り返しがつかないので、エンジンオイルの交換は忘れずに行ってください。
PCX150【KF30】エンジンオイル交換の手順
エンジンを温める
まずはエンジンを掛け、2~3分くらいアイドリングさせます。エンジンが冷えている状態だとオイルも固い状態なので、すこし温めることで柔らかくして排出させやすくなります。
アイドリングが終わったら必ずエンジンを切ります。間違ってもエンジンを掛けたままオイル交換をしてはいけません。
また、この車両(KF30)の場合、センタースタンドを立てるとオイルが出てくる位置にスタンドがあって邪魔になるため、サイドスタンドを立てて作業したほうがよいかと思います。
ドレンボルトの位置の確認
では、車体下部にあるドレンボルトを外していきます。写真の真ん中あたりにある黒い六角ボルトがドレンボルトです。
ボルトは12mmのソケットレンチを使います。少し奥まった位置にあるため、写真のような長めのタイプがよいでしょう。これはKTCのディープソケットになります。
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KTCの商品はやや割高ですが精度がよく、ネジを舐めにくいためとても気に入っています。
ホームセンターでセットで売っているような安いソケットでも使えないことはないですが、ドレンボルトはとても重要なパーツですし、こういう部位にはしっかりとした工具を使ったほうがいいと思います。
ドレンボルトを緩めていきます。
ボルトが外れるとオイルが勢いよく落ちてきます。ボルトはそのまま落としてしまって、後で回収すればいいと思います。
濃いめのチョコレート色のオイルが出てきました。前回の交換から2500kmほどの走行ですが、新品は蜂蜜くらいの色で半透明なので、思っていたより汚れていました。
新しいエンジンオイルを注入する
ドレンボルトを再び締めていくのですが、ボルトを別の商品に交換することにしました。
これはタケガワから発売されているアルミドレンボルトです。先端に強力なネオジウム磁石がついており、鉄粉を吸着してくれます。
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見た目は小さなマグネットですが磁力はかなり強いです。
外した時と逆の手順で取り付けます。このボルトはアルミ製で若干やわらかいので、あまり締め込みすぎないように注意します。
私はほどほどの力で回らなくなるまで締めてから最後に1/8回転ほど締めて終わらせていますが、正式な締め付けトルクは24N・mです。よほどゆるゆるで取り付けない限り緩んだことは一回もないので、だいたいで作業しています。
写真はオイルの注入口です、黒いキャップはネジ式になっているので回して外し、ここから新しいオイルを入れていきます。
オイル(ホンダのE1)と漏斗を用意しました。注入口は奥にあるので、なるべく注ぎ口が長いものがよいでしょう。
しかもオイル規定量が約800mLと中途半端な量のため、目盛りがあって量を測れる漏斗が必要かと思います。
だいたい800mLくらいオイルを入れます。
後はオイルを入れるだけです。いっきに入れすぎると溢れてくる可能性があるため、ゆっくりと漏斗を傾けて少しずつ注いでいきましょう。
レベルゲージでオイルの注入量を確認する
800mL近くオイルを入れたら、後は少しずつ注ぎ、レベルゲージで量を確認しながら調節していきます。レベルゲージの先端のギザギザしたところの中間あたりまでオイルで濡れていたら適正量です。
オイルは多すぎても少なすぎても問題なので、しっかりと目視して量を確認しましょう。あと、レベルゲージで量を測る際は、注入口にねじ込んではいけません。そのまま穴に差し込んだ状態で計測します。
オイルを正しく入れ終えたらオイル交換は完了です。
エンジンオイル交換の注意点
ドレンボルトを締めすぎないようにする
エンジンオイルが漏れ出さないために重要なのがドレンボルト。
このドレンボルトですが、締めすぎには注意です。もちろん緩すぎるとオイル漏れの原因になるのでいけませんが、締めすぎもねじ山の破損につながります。
もし過度な締め付けでエンジン側のネジ山を潰してしまうと非常に厄介。素人の手に負えずバイク屋案件になり、高額の修理費がかかってしまいます。
PCX150(KF30)のドレンボルトの締め付けトルクは24N・mなので、くれぐれも締めすぎには注意してください。
古いオイルは適切な方法で処理する
オイル交換した場合、古いエンジンオイルは廃棄することになりますが、捨て方には注意が必要です。
間違ってもそのまま排水口に流してはいけません。トイレットペーパーなどに染み込ませてそのままゴミ箱にポイ、もNGです。
ではどうすればいいのか?ですが、まずは以下のような専用の廃油処理箱を使うことです。数百円の費用が必要ですがこれが最も簡単な方法です。
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こういった物がない場合、小さめの段ボール箱にトイレットペーパーを詰め、そこにオイルを染み込ませたらテープでしっかり蓋をして燃えるゴミに出すやり方もあります。
ただしこのやり方は、自治体によってOKなところとダメなところがありますので、お住まいの市役所などに電話して可否を確認してください。
おわりに
いくら故障が少ないPCXといえど、エンジンオイル交換を怠れば致命的なトラブルの原因になります。
バイクの使用環境にもよりますが、理想は走行距離2,000km、長くても3,000kmごとには新しいオイルに交換してください。
自分でのエンジンオイル交換はさほど難しい作業ではないですが、ドレンボルトの締め付けトルクや入れるオイルの量など、きっちりと守るべきポイントがあります。
定期的なオイル交換を欠かさないように心がけ、PCXのコンディションを良好に保ちましょう。
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