新型PCX150(KF30)が納車されたのでガチでインプレ|旧型と比べて良くなった所&悪くなった所

PCX150(KF30)の斜めからのショット

ついに、ついに納車された新型PCX150(KF30)・・・!チタンシルバーの輝きとグラマラスなボディラインがカッコ良すぎる!とテンション爆上がりなPCX150おじさんです。

で、このページはファーストインプレッション的なものになりますが、旧型から新型に乗り換えた私だからこそわかった部分について書きたいと思います。

新型を嫁に見せても「え、どこが変わったん?」と真顔で聞かれたくらいですが(いやいやPCX好きから見たら全然ちゃうし!)、中身は驚くほど変化(進化)している部分がたくさんありました。

新型PCX150(KF30)のインプレ(旧型との比較)

思ってたより違うエンジン特性

PCX150(KF30)の駆動系

結論からいうと、旧型は低速重視、そして新型は中高速重視ですね。

ならし運転ではエンジンの特性を十分に知ることはできないので、すでに800km走行してもちろん全開加速もして新型PCX150のエンジン特性を自分なりに体感しました。

新型PCX150(KF30)は、正直言うと出足は少しおとなしいです。信号が青に変わってゼロ発進する時、アクセルをぐいっと回してもすぐにエンジンが唸らず、一呼吸遅れて加速しはじめます。

しかも、だいたい60kmくらいまでの加速に、旧型では感じた「ググッと押されるトルク感」が乏しいんです。旧型PCX150のほうが低速での力強さがあったように思います。

いい言い方をすれば新型はよりフラットな加速といえます。

これは双方のエンジン出力を見ると説明できます。なぜなら旧型のエンジンのほうが最大トルクを出す回転数が低いのです。

新旧エンジンの性能比較

新型(KF30)旧型(KF18)
最大出力11kW(15ps)10kW(14ps)
最大出力時の回転数8,500rpm8,500rpm
最大トルク14Nm(1.4kgf)14Nm(1.4kgf)
最大トルク時の回転数6,500rpm5,000rpm

表を見てもわかるように、新型と旧型では最大トルクの数値は同じですが、そのトルク時の回転数が異なります。

ポイント

新型のほうが6500回転と旧型の5000回転に比べて高くなっており、つまり同じトルクを出すには新型のほうがよりエンジンを回さないといけません。

ゼロからの加速に影響するのは出力よりトルクのほうなので、旧型の方が低速からぐいっと押される感じが強かったのは決して錯覚ではないと思います。

ただし、加速力や最高速はエンジンそのものの力だけでなく、ウェイトローラーやプーリー、ドライブベルト、クラッチ、マフラーなども関わってくるので、一概にエンジンだけの差とはいえません。

60kmからの伸びは明らかに新型に軍配

ただし、一度速度を乗せると新型はがぜん元気になります。

たとえば高速の合流時に加速する時など、60km超えたあたりから回転の盛り上がりが一段強くなり、90kmくらいまで一気に伸びる感じがします。

ウワーンという感じの高揚感も伴って。

だから80kmくらいで高速を巡航する際の余裕は圧倒的に新型の勝ちですね。

よく発売時の雑誌のインプレで、高速巡航がより楽になったという内容がありましたが「あ、こういうことか」と納得がいくものでした。

とはいっても、旧型でも90kmくらいまでなら気持ちよく走れましたし、基本的に排気量はほとんど変わっていない(新型が3ccダウン)ので、劇的な違いというほどではありません。

正直言うと、私は旧型のエンジンフィールのほうが好きだったかも・・・

ただ、このあたりは駆動系のカスタムによって変化が期待できる部分なので、今後のいい課題ができたなーとポジティブに考えることにします。

ダブルクレードルフレームの剛性感はもはや別物

PCX150(KF30)の車体側面

今回、新型で最も違いを感じたのはフレームの剛性感。これ、完全に旧型(KF18)とは別物です。

とにかくカチッとした塊感に溢れていて、従来型に乗っていた時によく感じた、フレームが「しなる」感触がまったくありません。

そのおかげか、とにかく車体がフラフラしにくいんです。

このページ下方にある旧型PCX150のレビューでも書いていますが、良くいえばひらひらとした軽快感、悪くいえばふらふらと安定性がないのが大きな特徴でした。

(※)これはタイヤの細さも大きく関係しているとは思いますが

ですが新型は、特にクラッチが切れてから停止するまでの微速の時もビシッと安定しており、不安感がありません。

また、高速走行時に路面のギャップを通過する時、旧型では車体が沈み込んでから跳ね上げられるようなしなりを感じますが、新型はボディの大きなブレがなくスムーズにいなしてくれます。

ダブルクレードルフレームだとここまで違うのか・・・と驚くばかりの進化でした。

エンジン特性の違いは好みの部分も大きいと思いましたが、ことフレームに関しては完全にKF30の圧勝かと思います。

幅広になったタイヤがもたらす恩恵

PCX150(KF30)のタイヤ

前後輪ともに新型はタイヤが太くなっています。

同クラスのライバル、ヤマハNMAX155やマジェスティSに比べてどうしても貧弱に見えていた部分が払拭され、これだけでも新型は価値があると思います。

ですがもちろん、タイヤの変化は見た目の影響だけにとどまりません。

走りの安定感がダントツによくなりました。それを最も感じるのが「道路のわだち・縦溝」と「下りコーナー」です。

JF28やJF56に乗っている方ならわかると思いますが、アスファルトにできた縦のわだちや、人工的に作られた縦溝の上を走る時、ハンドルを取られそうな挙動をする時がありますよね。

実際に転倒までいかないものの、これでヒヤッとした経験は数知れません。

中でも最悪なのが長い下りのコーナーで縦溝が何本もあるような道路(私がたまに走る名阪国道の天理~福住の区間によくあります)。

直線の溝でも嫌なのに、勢いのつく下りコーナーだと本当に怖く、かなり減速して注意深く曲がる必要がありました。

KF30のタイヤは安心して入っていける

これ、乗り換えたら本当にびっくりしました。タイヤが少し太くなるだけでここまで変わるのかと。

旧型では不安感のあった轍などに突っ込んでいっても、あのハンドルが振られるような感触がほとんどありません。

下りコーナーも少しオーバースピード気味に入り、軽く減速しながら曲がっていっても狙い通りのラインをビシッとキープしてくれます。

何だこの安心感は、本当にPCXか?と本気で感じてしまいました。

もちろんフレーム剛性のアップなども関係していると思いますが、走行安定性に関してはKF30はもはや別物のスクーターと言っても過言ではない印象です。

とにかくライトが明るくなった

PCX150(KF30)のヘッドライト

これも「よくやってくれた!」と思い切り褒めたい部分です。

旧型から続いてKF30もLEDのヘッドライトですが、もう比べ物にならないくらい明るいです。

私はわりと田舎に住んでいるので、家の周りの道では街灯がない区間もけっこうあります。そんな所を走る時、旧型では何回も怖い思いをしました。

一番怖かったのが反射タスキやライトも持たずに夜にランニングしている人。黒っぽいTシャツとかだとほんと間近にくるまで見えないんですよね。

KF30のまるで鳥がはばたくかのように上まで伸びたヘッドライトは、決して見掛け倒しではありません。

LED特有の白っぽい光は、従来より明らかに照度が高く、街灯のない夜道でも奥までしっかり照らしてくれるので安心感が桁違いです。

ポケットもメットインも拡大

PCX150(KF30)の小物ポケット

KF30はユーティリティ面も確実に進化しています。

うれしいのがハンドル左側にある小物ポケット。内部の容積が大きくなっており、500mlのペットボトルがするっと入ります。

JF56はここが狭くてぐいっと押し込む必要があったのでこれは嬉しい。

鍵はないので貴重品の保管は向かないですが、ドリンク類やグローブなどちょっとした小物を入れておくのに便利なんですよね。上部にはシガーソケットもあるのでスマホの充電も可能。

PCX150(KF30)のメットイン

メットインも底部の出っ張りが少なくなり容量アップ。さらに使い勝手が向上しています。

しかもシートを開ける際、バネ付きになったので自動でせり上がってくれるのも何気に嬉しいポイント。旧型みたいに勝手に下がってこないので荷物の出し入れもスムーズです。

センタースタンドが驚くほどの軽さ

PCX150(KF30)のセンタースタンド

私はサイドスタンドをよく使うのでそれほど出番はないですが、新型はセンタースタンドが大幅に軽くなりました。

感覚的に旧型が10だとすると6くらいの力で立てられます。おそらく女性の方でもそんなに苦労しないのではないでしょうか。

細かい部分ですが先端の足を乗せるところが大きくなっていてより踏みやすいのもグッド。

【結論!】新型は旧型のマイナスをほとんど払拭している

ということで、新型PCX150(KF30)は旧型で気になってた部分をほとんど払拭してきたというのが印象です。

中でもフレームが変わったこと、タイヤが太くなったことによる走行安定性の向上は眼を見張るほど。見た目の変化以上のすごい進化を感じました。

収納面でのユーティリティ向上も見逃せません。

従来品の課題をしっかりと認識し、新型で確実に改善してくるホンダの真面目なモノづくりが輝いています。

日本は特にバイクが売れないと言われていますが、こんなにいい仕事をしているメーカーと商品が存在することを、このブログを通じてもっと伝えていきたいと思いました。

PCX150(KF18)の乗車インプレ(過去記事)

PCX150

ヤマハのNMAX、スズキのバーグマン200、マラグーティのブログ160とさんざん迷った末に購入したPCX150。

もううれしすぎて、早速慣らしも兼ねて初日に400kmほど走行したので、そのフィーリングについてまとめようと思います。

PCX150が気になっている方にとって、何かの参考になれれば幸いです。

加速はアドレスV125(K9)より中高速で伸びる

前提として、まだ慣らし中で全開にしていないので完全な性能はわかりません。バイパスで70kmほど出したのが最高速度なのであくまでその範囲での印象になります。

まず、加速については、クラッチのつながりが早いです。つまり低回転でクラッチがつながるので、ゼロ発進でスタートする際にアクセルをひねってから車体が動き出すまでの時間差が短いです。

そこからの加速は良くも悪くも「こんなもんか」という感じです。買う前に想像していたのとだいたい同じような感じでした。

以前はスズキのアドレスV125G(K9モデル:先代の最終モデル)に乗っていたのですが、それの2割増しくらいの加速感です。

0kmスタートからの初速は大差ないですが、60kmくらいから高速域へのグイッと伸びてくる感じが明らかにPCX150のほうが上ですね。

小型ATを取った時教習所で乗った初代アドレス(K5モデル:歴代アドレス最速モデル)と同じくらいに思えます。

ただ、エンジンそのものが回しても静かなのと、アドレスに比べてハンドルや車体に伝わる振動がほとんどないため「え、もうこんなにスピードが出てるの」という印象ですね。

本当に、スルスルと速度が上がっていきます。当然ながら、平均的な自動車の流れをリードすることは十分に可能です。

先代の日本版PCXでは40km〜50kmあたりにアクセル開度の割に速度がついてこない「加速の谷」があったのですが、この新型はそんなこともなく、フラットに速度を乗せていけます。

クラッチタイミングは早いぶん、減速時でもクラッチがギリギリまで切れないので、車体がギクシャクしにくく、スムーズかつ静かに停車まで持っていけます。

とにかく、加速・減速ともに動きにクセがないのひと言。

慣らしが終わったら、全開加速や最高速度、高速道路でのパフォーマンスについて改めてインプレしたいと思います。

最高速度は110kmちょっと、高速は長時間はキツい

幸い自宅の近くに高速のジャンクションがあるので、PCX150の性能を存分に試すことができます。

まず最高速ですが、あまり大きな声ではいえませんが110kmプラスαという感じです。PCX150はエンジンの回転数にリミッターがついており、ちょうど110kmあたりで上限に達するらしくそれ以上加速しません。

限界の速度域になるとカクッと軽い衝撃とともに加速が頭打ちになります。

ライバルのNMAXやマジェスティSはYOUTUBE動画などを見ると120kmを超えるようなので、明らかにPCXの完敗ですね。

ただし、この後の話とつながりますが最高速付近はお世辞にも実用的に使える速度ではないです。

いくらエンジン音が静かなPCX150といえど、100kmを超えると明らかにうるさくなり、同時に車体の細かいブレや風切り音がふえ、リラックスして運転できません。

緊張して手汗をかいてしまいます。

もちろんリミッター内の速度なのでオーバーヒートやエンジンブローすることはないと思いますが、とても長時間ライディングできるものではないです。

高速道路を快適に走るなら、80km~90kmくらいで左車線キープというのが条件かと思います。

自分の前にそれくらいのスピードで走る大型トラックなどがいたら、後ろにつけて風を受けずに走れるので楽なんですがね・・・。

やっぱりPCXは後ろからだと小さく見えるのか、急に割り込まれたりビッタリ後ろにつけられたりすることが多いです。ウザいし危険ですが、高速で車の加速に勝てるわけないので大人しく走るしかないです。

安定性は極低速でちょっとふらつく

PCXの大きな特徴として「タイヤが細い」というのがあると思います。

正確に言うと、太さ自体はアドレスと同じで平均的なのですが、外形が大きい(14インチ)のため、相対的に細く見えるんですね。

このタイヤが走行安定性にどういう影響をもたらすのでしょうか。

交差点での右折や左折、峠道でのコーナーなどを走った印象だと、ヒラヒラしているというのがぴったりな表現です。

車輪が大きいとジャイロ効果で直進安定性がよくなると言われますが、まっすぐ進んでいる時の安定感は、アドレスと大差ないと思いました。

そして、信号などで止まる際の超低速での安定性は、まだPCXに慣れていないせいもあると思いますが、思ったよりもちょっとフラつく感があります。

全体としてドッシリとした感じではなく、軽快感が先に出るといった印象です。

よく、PCXにはじめからついているタイヤは滑りやすいという声もありますが、晴天時、小雨時の走行で今のところズルっと滑ったことはありません。

もう一つの大きな特徴「コンビブレーキ」も、特に違和感を感じません。

(というか、晴天時のコンディションで違和感を感じるモノのほうがヤバイと思いますが。。)

タンデム乗車でも普通に速度を乗せていく

アドレスよりシートの前後が長く、後方は一段上がってパッセンジャーのスペースが確保されているPCXは、タンデムでも無理のない乗車ができます。

左右に引っ張りだすタイプのタンデムステップもしっかりしていて足も起きやすく、姿勢も安定します。

後ろに子供を乗せた状態(約30kg)でのタンデムですが、これくらいの重量だと一人乗りの時とくらべて重さをほとんど感じません。

ただ、タイヤが大きい分座る位置も上がり、重心がちょっと上がってしまうので、低速時での方向転換などでは立ちゴケしないよう少し気を使いますね。

私の身長(169cm)だとシート前方に座っても両足べったりにはならないので、取り回し時での転倒には気をつける必要があると思います。

また、先日、成人女性(体重約50kg)を乗せて走行しました。

さすがに子供を乗せた時よりも加速の鈍りは感じますが、前車のアドレスの時に感じた重さゆえのかったるさはそれほどありません。

法定速度あたりまでストレスなく加速します。

あと強く思ったのが「乗り心地がちょうどよくなった」ということですね。一人乗車の時、PCXの後輪サスはけっこう固めなんです。

道路のバンピーで荒れたところを超える時など、けっこうゴン、ゴツ、という衝撃が腰に伝わります。それが二人乗りだとほどよいショックの硬さに。

PCXを生産しているタイや東南アジアでは多人数乗車が当たり前とききますが、その状況を想定しているようなサスペンションのセッティングなのかと思いました。

スペース的にもアドレスだとタンデムすると身体が密着するほど余裕がなかったのですが、PCX150ではそんなこともなく、ある程度長時間のタンデムでも不快感を感じないのではと思います。

停車時の取り回しも問題ない重さ

前車が100kgに満たないアドレスV125Gだったため、軽量の部類に入るPCX150(131kg)でも私にとっては重量増。確かに重くなったのを感じます。

とはいえ、押し歩きや切り返しが大変というレベルではなく、取り回しは十分やりやすいと思います。

AT限定二輪の教習で乗っていたホンダのシルバーウィング400のクソ重さ(249kg)に比べたらもう余裕のよっちゃんで軽々です。

センタースタンドもアドレスよりは重いですが、男性なら特に苦労を感じることもないと思います。小柄な女性の方でしたらちょっと大変かもしれません。

もちろんサイドスタンドもあるので問題はありませんが。

サイドスタンドのほうが、前後輪のタイヤと合わせて3点で車体を支えるので安定性が高く、センタースタンド停車時より強風時でも倒れにくいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUTこの記事をかいた人

PCXが好きなただのおっさんです。現在は2代目から3代目(KF30)に乗り換えました。PCX150のことやカスタム、ゴープロを買ったので走行動画なんかもぼちぼちアップできたらと思っています。これ1台で日本のすべての公道を走れ、必要十分なパワー、見た目もかっこいいと三拍子そろった最高のスクーターだと思っています。